- 推薦のことば
- 設計者・施工者・製作者が協同して作業に当たることが欠かせない
- 相互理解
- 施工者・製作者:設計図書に示された設計意図を理解しその実現に努力する必要
- 設計者:設計図書の作成に当たり施工者・製作者の実情を理解した上で行うことが肝要
- はじめに
- 「安全性」と「経済性」、すなわち「品質」と「作りやすさ」が求められることを考慮した場合、複雑で加工工数が多いディテールは出来るだけ避ける
- 部材の形状・寸法の種類を少なくする
- 使用する材料の種類を少なくする
- 複雑なディテールは避ける
- 溶接箇所・量が少ない部材及びディテールとする
- 部材の形状・寸法の種類を少なくする
- 「安全性」と「経済性」、すなわち「品質」と「作りやすさ」が求められることを考慮した場合、複雑で加工工数が多いディテールは出来るだけ避ける
- 第2章 鉄骨製作全体の流れ(【てっこつせいさくぜんたい】の【なが】れ)
- 一般図
- 伏図・軸組図・継手基準・溶接基準・仮設基準等、全体の基準となる図面
- 一般図の承諾ののち詳細図の作図を行う
- 詳細図
- 柱・梁・ブレース等、単品ごとの図面
- 仮設部材・貫通孔・デッキ受・外壁取合い等全ての情報を網羅しなければならない
- 工作図(一般図・詳細図)は、製品を加工していく上での作業指示書であり、各工程でのチェックシートでもあるので、この工作図に誤りがあれば、正しい製品は製作できない
- 様々な角度から検討するとともに、図面のチェックを確実に行うことが大切
- 現寸
- 承諾を受けた一般図・詳細図から材料切断リスト・CLデータ(切断・孔あけ等の形状・寸法データ)、切断・孔あけ・開先加工用の型板・NCデータ(切断・孔あけ等工作機器の数値制御データ)、けがき用定規等の作成を行う
- 鉄骨工事は重量物を扱い、段取りに時間を要するため、製作工程通りに作業を行うことが一番重要になってくる
- たとえプレート1枚でも一旦工場を出てしまった製品に取り付けるには再度工場に取り込まなければならず、製作工程の中で行う作業に比べ何倍もの時間とコストを要する
- 工作図は製品加工の指示書であり、工作図の遅れは加工の遅れに直結するので、工作図の承諾日を厳守し、次工程に流す事が製作工程を守る上で、最も大切であり、それが、良い品質につながる
- 一般図
- 第3章 材料
- 低層建物では 400 N/mm² 綱、中高層建物では 400〜490 N/mm² 綱、超高層建物で 490〜590 N/mm² 綱が多く使用される
- 厚さ 40 mm 超えの鋼材に普及しているTMCP綱
- 建築構造用鋼材
- A種:小梁・間柱等の二次部材やトラスのように弾性範囲で素性変形性能や溶接性を必要としない部材に適用する
- W種:鋼管のみに設けられた鋼種で、用途はA種と同じであるがシーム溶接がなされるので溶接性を付与している
- B種:溶接性と耐震部材としての塑性変形性能を備えた材料で、柱や大梁の主要骨組に広く適用する
- C種:B種の性能に加えて、厚さ方向の絞り値やUT検査が規定されている材料で、溶接組立箱型断面のスキンプレートや通しダイアフラムのように厚さ方向の性能が要求される部材に適用する
- 第4章 各種鉄骨形式の標準ディテール
- H柱形式の標準ディテール
- 仕口の形式は柱貫通が基本となるが、梁幅が柱の幅あるいは成を超える場合は梁貫通とする
- 取付く梁フランジ幅が柱の断面を超える場合は梁貫通形式とする
- 梁フランジ厚が柱フランジ厚の2サイズアップを超える場合も溶接による変形防止のため梁貫通形式とする
- 梁貫通形式では、さらに、超音波探傷検査の可否(必要測定長さ:7t以上、t:柱フランジの板厚)も加味して、ディテールを選択する
- ハンチ部の勾配は原則として 1:2.5 以上とする
- 屋根勾配 弱軸が剛接合の場合は、弱軸側の梁取合いを考慮してダイアフラムが水平になるように鉄骨に勾配を設ける
- 弱軸2面せん断継手の場合、高力ボルト締め付け機にて締め込みが可能なことを確認する
- H柱形式の標準ディテール
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- 角形鋼管(コラム)柱形式の標準ディテール
- 梁貫通形式→通しダイアフラム 柱貫通形式→内ダイアフラム 外ダイアフラム形式
- ダイアフラムの出寸法は、柱の板厚が28mm未満の場合は25mm、28mm以上の場合は30mmとする。ただし、28mm未満、28mm以上が混在する場合は、30mmで統一するのが望ましい
- 梁段差が2段以上になる場合、柱フランジやダイアフラムの板厚が厚い場合など、溶接及び超音波探傷検査の可否の検討が必要である
- 内ダイアフラムを使用する場合、仕口内の柱の材質をC種とする場合がある
- 現場溶接部の食い違い防止のために、下節柱頭と上節柱脚の材料は共材(同一の材料から切断した材料)を原則とする
- やむを得ず共材とできない場合は、裏当て金差込タイプは採用しない
- 角形鋼管(コラム)柱形式の標準ディテール
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- 溶接組立箱型断面(ビルトボックス)柱形式の標準ディテール
- ビルトボックスの接合部は、内ダイアフラム形式とするのが一般的である。部分的に通しダイアフラム形式の接合形式とする場合があるが、通しダイアフラムを多用すると製作工場の設備・製造ラインとの不整合が生じ、製作や寸法精度の確保が困難となるので避けるべきである
- ビルトボックス柱は、内ダイアフラムの4溶接線をすべてエレクトロスラグ溶接する工法によって製作する事がほとんどである
- スキンプレートの板厚は節ごとに変えることが望ましい
- 十字形断面からボックス断面への切替部は、精度確保の観点から極力簡略な納まりとする
- 溶接組立箱型断面(ビルトボックス)柱形式の標準ディテール
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- 円形鋼管(パイプ)柱形式の標準ディテール
- 梁貫通形式→通しダイアフラム(柱にCon充填する場合はダイアフラムをリング状)
- 柱貫通形式→外リング
- 鋼管柱と外リング溶接は部分溶込み溶接とする
- 段差部の基準
- 段差は基本的に設けない
- 工場溶接→下FLG水平部分設けない
- 現場溶接→下FLG水平部分設ける
- 円形鋼管(パイプ)柱形式の標準ディテール
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- SRC柱の標準ディテール
- SRCの鉄骨では、鉄骨の梁の板厚が、鉄骨の柱材よりも大きくなることが多い。このような場合、板厚の厚い梁を通した方が溶接量が少なくなり合理的な仕口となる
- CT形鋼を使用する場合、設計図表記の柱成とするには切断幅を考慮する必要がある
- 柱貫通形式→柱FLGは板厚方向に応力が発生するため使用鋼材の規格を確認する必要がある
- 梁貫通形式→梁FLGは板厚方向に応力が発生するため、使用鋼材の規格を確認する必要がある
- SRC造柱の場合、柱断面の形状寸法は溶接トーチ寸法や溶接角度・溶接姿勢などの問題で製作上ある程度の間隔が必要になる
- 現場での継手部(柱ジョイント)では、ボルト挿入時の寸法及び締め付け機の寸法も考慮して決めなければならない
- 溶接が健全に出来る寸法を確保しても現場継手の部位になるとSPLの厚みなどによって接合部が狭くなるため、十分な検討が必要となる
- ウェブに孔明けする場合、使用する孔明け加工機とFLGとの干渉も検討する
- SRC柱の標準ディテール
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- 共通事項
- 超音波探傷検査が可能なダイアフラムの最小間隔
- 鉛直ハンチにおける梁フランジ曲げ加工部の補剛
- 高力ボルト締めに必要な寸法
- 共通事項
- 第5章 一般事項
- 溶接
- 「継手構造が簡単」・「気密性・水密性に優れている」
- 「局部的な加熱冷却によるひずみ」・「残留応力」
- 溶接
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- スカラップ
- 柱貫通形式ノンスカラップ(工場溶接)
- 梁貫通形式ノンスカラップ(工場溶接)
- 現場溶接部のスカラップ形状
- スカラップ
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- 裏当て金・エンドタブ
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- 鋼製エンドタブ取付要領(工場溶接タイプ)
- フランジ幅+80mm
- 固形エンドタブ取付要領
- フランジ幅+20mm
- 鋼製エンドタブ取付要領
- 鋼製エンドタブ取付要領(工場溶接タイプ)
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- 溶融亜鉛めっき
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- 亜鉛と鉄との間にできた「合金層」により、亜鉛と鉄が強く結合
- 保護皮膜作用
- 犠牲防食作用
- 亜鉛温度は430℃〜460℃
- めっき槽の大きさは、長さ10.0m、幅1.5m、深さ2.0m程度が標準的
- 5tonを超える部材は、めっき工場のクレーン能力の確認が必要
- 鋼材メーカーに「溶融亜鉛めっき仕様」を指定することにより、量及び納期の制約はあるが、めっきの施工に適した鋼材を入手することが可能
- めっきを施工した部材の変形を抑制するためには、部品の板厚を揃えることが理想的であり、少なくとも表に示す板厚の組合せを限界の目安に設計することが望ましい
- 全周隅肉溶接を行う
- 摩擦面は、「りん酸塩処理」や表面粗度が50μmRz以上になるように、めっき後に軽くブラスト処理等が施される
- 亜鉛と鉄との間にできた「合金層」により、亜鉛と鉄が強く結合
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- H形鋼の継手
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- 小梁接合部
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- 仮説部材
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- 輸送